野村川湯YH ニッポン漂泊記 | 野村川湯YH 野村川湯ユースホステル

ニッポン漂泊記

ニッポン漂泊記

沖縄・西表島の
自然を旅する
オバケ(大川教子)

 

私が、初めて西表島を訪ねたのは、20年くらい前のこと。前の年、メキシコのラパスにダイビングに行っていた友人は、そこで知り合ったインストラクターが、西表で宿を開くので、遊びにおいでと誘われていて、それに同行させてもらったのが最初でした。

これからサバニに乗ろうと、張り切ってる私(右)。しかし、すでに腰が引けちゃってたりして。左は、いつもお世話になってるガイド。白浜海岸にて。

初めての西表の海の青さは、私をすっかり魅了してしまったのです。星の砂で有名な星砂海岸は、プールのような浅瀬の海なのに、潜るとすぐに色とりどりの魚が目の前に現れてくる。本当に綺麗でした。

コロナの最中にあり、しばらくの間、西表島への訪問もままならず、この夏(22年7月25日−30日)、しばらくぶりに訪れた海では、魚達も自由に暮らしていたらしく、たくさん会えました。シュノーケルリングでは、なかなか見ることのできないウミガメにも遭遇できましたし。優雅なウミガメの泳ぎに合わせて、一緒に泳ごうとしたのに、速すぎてまったく追いつけませんでした。

 

私は、資格を持っているもののダイビングが苦手で、うまく耳抜きができないのと、なんであんな重い機材を持って潜らなければならないのか、と、いつも思ってしまうのです。そして何より、もし空気が入いって来なかったらどうしよう、という恐怖が、苦手である一番の理由でしょう。その点、シュノーケルはとても自由で、まるでマーメイドにでもなったみたいな気分なんですよね。自分自身の力だけが味方です。私の場合、潜らずにふわふわと浮いているだけなので、自力もほとんどいりませんが……。

ともかく、海の中はホントに自由で、手足を大きく伸ばして浮いているとなんともいえない心地よい感覚になります。

サバニの操船なんて、簡単じゃん、と、私はややドヤ顔。実は、操作は奥が深く、とても難しいんですよ。

今回は海で、サバニ(木の帆船)の操作もしました。

西表でいつもガイドをしてもらっているゴリちゃんは、数年前からハーリーのレースにも出ていて、すっかり手漕ぎ帆船の魅力に取り憑かれ、とうとう自分の船を持ってしまったのです。

サバニに初めて乗せてもらった時は、乗っているだけで楽しかったのですが、一度、帆のロープを持たせてもらうと、その操作の難しさにすっかり魅了されてしまいました。

ひょっとしたら、なかなか簡単には乗りこなせないじゃじゃ馬を制御したい、意のままに手なずけたい、と思うのと同じでしょうか?

 

西表島の魅力は、海だけでなく、川にもあります。

これから仲良川の支流・ヌバン川を遡っていきます。どうよ、私(前)、本格的な探検家みたいでしょ?

こんなに深いところも。ハブやヤシガニが来たって、噛み殺しちゃうから平気なの。キリンも沖縄に通ってるようですが、こういうところには、来ないよねえ~。一度、妻を連れて来たら、喜ぶかもよ。

カヌーで川をどんどん遡っていくと川幅が狭くなり、両側がマングローブや、亜熱帯の照葉樹に覆われていきます。川の中を覗くと、大小様々な魚がのびのびと泳いでいます。

アダナデの滝(落差約6メートル)は、こんな感じ。西表には、大小100を越える滝があるといわれてます。

木の枝を掻き分けて川を上流に向かって進んでいくと、冒険家にでもなったような気分になります。木の根元には、トントンミー(ミナミトビハゼ)やカニ、ヤドカリも生息しています。そんな生き物に出逢えるのも、魅力のひとつです。

滝をダイブすると、ほらほら、水も滴って……いい感じでしょ。こういう体験が、西表の自然を味わう旅の醍醐味なんです。

様々な自然を抱えた西表島は、その時々で姿を変え、そこにはいつも発見があるのです。それが、最大の魅力だと思います。■

 

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