柚子の実が黄色く、鮮やかに色づくと、にわかに空気が冷たくなってきて、そっと冬が忍び寄って来ます。
この特別版では、埼玉県入間市(トモノ家の庭)で育った柚子たちが、北海道の千歳市(チャック)、川湯温泉(直ちゃん)、都内の練馬区(ミホ)の家へと、3ルートに別れてそれぞれ旅をし、再び、故郷に戻って来る様子を紹介したいと思います。
旅先で、姿を変えるその変容振りと、柚子を介して人の思いが通い、仲間が集い、家族が楽しく食べ、酔う機会が作られていました。
柚子の取り持った縁による、小さくも芳しい3つの物語です。
第11回
特別版 柚子の旅(3)
板さん直伝のレシピ
料亭の柚子味噌
ミホ(高杉美穂)
お友達の家で頂いた、柚子味噌があまりにも美味しくて、「どこの?」と尋ねたら、特別にこのレシピを教えてくれました。
柚子の香りの奥に、甘さと塩味がほどよく調和し、その向こうには品のよいコクを確かに感じましたから。詳しく聞けば、どうやら板さん直伝のレシピなんだそうです。
柚子の季節になると、この柚子味噌を作りたくなります。いろんな食材に馴染むから。
材料の味噌は、市販のものでいいのですが、自家製味噌だと塩分も調整できますよ。白味噌でも美味しくできますが、できれば信州味噌や田舎味噌のようなのが、このレシピには合い、味わい深く仕上がるような気がしています。ともあれ、まずは各ご家庭のお好きな味噌で試してみて下さい。
我が家では、春菊を茹でてこの味噌と和えたり、もちろん里芋を蒸したのには、絶妙に美味しいです。ナスとピーマンを焼いたのに和えても、厚揚げを蒸したのにも、この味噌はなんともよく合いますよ。守備範囲がとても広くて、大助かりです。
それと、今回送っていただいた柚子は、味噌を作った残りは、甘さ控えめのジャムにして冷凍し、朝食時に美味しくいただいてます。もちろん、すべてを使い切りました。■
[ポイント]
★砂糖と蜂蜜が入りますから、目を離すとすぐに焦げるので気をつける。
★柚子は、面倒なようでもちゃんとアク抜きして準備しておきます。
[材料]
◎好みの味噌 1キロ
◎みりん おたま2杯
◎清酒 おたま3杯
砂糖 500グラム
蜂蜜 500グラム
柚子2~3個
(ボールに水を張り、柚子を入れる。浮き上がらないようにお皿を被せ、ひと晩アク抜きしておく)
[作り方]
1,◎を、鍋に入れてよくかき混ぜる。火にかけ、焦がさないように充分に練る。
2,滑らかになったら蜂蜜を入れる。甘さみながら、さらに砂糖を加える。
3,味が整ったら、最後に、柚子を擦りおろして入れて、完成です。
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