野村川湯YH 下関の「温泉1000湯」 ♨   一緒に浴びよう!       | 野村川湯YH 野村川湯ユースホステル

下関の「温泉1000湯」 ♨   一緒に浴びよう!      

連載 温泉

その2
古遠部(ふるとおべ)
温泉
下関(一柳 仁)

 

(青森県平川市碇ヶ関)
入湯/2009年5月
源泉掛け流し

湯温/42.5度
泉質/ナトリウム、カリウム、炭酸水素塩硫酸塩泉、塩化物など

 

きっと、俺が温泉が好きになったんは、北海道を旅してた頃からやろうと思うがなあ。

まだ学生やったし、でもさ、なんとなく湯に入るんでなくて、おお、いいわいなぁ、と思って湯に浸かったのは、野中温泉(足寄郡足寄町)とか、カムイワッカの湯(斜里郡斜里町)が最初で、そういう原体験があっての今やろうと思うよ。

それに、みんなと一緒で、騒いだりもしたけど、温泉の心地よさを、ぼんやりとでも体得して覚えたような気がするよねえ。しっくりと来た、というかね。

嫌いやったら、こうして、あちこちの温泉場にわざわざ訪ねて行ったりして、入いらんもんねえ。

精悍さをわずかに残した筆者。全国の温泉巡りをする目的は、もちろん湯に入ることだが、車を使った旅の面白みもある。

以前、高速道路の大幅な休日割引を利用して、連休を使って東北の温泉地をぐるっと廻ったことがあったんよ。

東北地方にはいい湯が一杯あって、それぞれの温泉地の味わいも違っていて、そりゃあ面白いよねえ。それで、その旅程の最後に立ち寄って入ったのが、古遠部温泉やった。

ここは、山のなかの一軒宿で、湯治場みたいな雰囲気やね。その内湯に入るんよねえ。

 

ここの特徴はね、なんといっても湯よ。

止めどなく流れ出る湯の、その量やね。もうねえ、ガンガン湧きおるけえねえ。

毎分500リットルも出るといわれ、実際に入いってみると、相当な量だなぁ、と感じるさあ。それでいて、加水も加温もない掛け流しで、そのまま入れるのもいいし。

湯温は42度から43度くらいなんでね、やや温めなのかもねえ。

なにも温泉は、熱い湯がよくて、温いのはよくない、なんてことはありゃあせんしさ。

肌が真っ赤になるほどの熱いのもいいし、温けりゃあ、温いのもいいし、それぞれの入り方があるんよ。

 

俺は、熱いのも好きよ。バリバリ熱くても、入るしねえ。とても熱くて入れんほどなら、加水も仕方ないとは思う。反対に、温いからといって、あんまり長く入っとることもせん。

性格的には、せっかちではないし、確かにのんびりとはしとるよ。でもなぁ、湯に冗長に入ることもないんよね、キッパリと上がる。

……なんでか? そんなもんは分からんが、自分なりにちょうどいい感得、入り方や、心地よく具合のいい時の経過みたいなのが、あるんやろうねえ。

それで湯に浸かったら、静かに目を閉じて、身体感覚を集注させて湯の当たり具合を全身でじーっと感じてみる。匂いや音までも体に取り込みながら、なにも思わず考えず、あるがままを受け入れて、ただ温泉に浸かる。そんなふうなことを、無意識に、自然にやっとるような気もするかなぁ。ひょっとしたらマインドフルネスみたいな、そういうもんかもしれんよねえ。

 

入り方といえばさ、この古遠部温泉では、洗い場に仰向けに寝っ転がって、風呂桶から大量に溢れて流れ出る湯を、背中に浴びる、なんてことができる。こぼれ湯とか呼ばれていて、こういうことができる温泉場は、そうそうないよねえ。

ただし浴槽の廻りに、オジサンたちが仰向けに寝っ転がるトド寝の様子は、あんまり見たくはないけどさあ。

温泉好きの間では、よく知られた、いい湯なんよ。(談)

 

 

コメント

  1. でんちゃん より:

    お久しぶりです。古遠部にも来てましたか。一度青森に遊びに来てくれて奥入瀬行きましたね。
    懐かしいです。私も相変わらず一人旅、山登りで過ごしています。今年はコロナのせいもあり年末年始の九州、四国以来遠くには動きが取れていませんが、元旦はしまなみ海道をチャリしてました。ここ3年くらいで下関にも数回行ったので知ってれば一杯やりたかったですね。
    秋田ー山形県境 湯沢市の山の中 湯ノ沢温泉もおすすめしますよ。冬は休業ですが。
    早くコロナが一段落して再び鈍行トコトコ旅を再開したい!その地域のちょっとした名物をつまみに買って車窓からのんびり外を眺めながらプシュ!っとやってると最高ですね。

    アルバム見てると、みんな変わらず青春してるんだなーとつくづく思います。
    友野さんはじめ精力的ですね すばらしいです。
    インターネットで何でも検索できる時代ですが、旅はあまり調べずに行き当たりばったりがいいですね。白黒写真程度のガイドブックで、どんなとこなんだろう?と思いをはせてワクワクして旅に出てた。あれが一番楽しかったし新鮮でした。

    今度の年末年始は行けそうにないですが、ここ7、8年別府で年末年始を迎えてたんですよ。旅の途中で寄ったライブハウスで地元の音楽好きな人達の歌や演奏聴きながら過ごしてました。
    今度行くときに連絡が取れ一緒に浴びれればいいですね 元気がいちばん

野村川湯小学校