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川湯的「人生相談」     心のラビリンス

連載 人生相談

最近、妻との仲がカサついて来たようで……
相談者●Tさん 男 60歳代

 

永く連れ添い、夫婦仲はとくに悪くはないと思っているのですが、最近、妻とふたりで過ごす時間が増えた割に、めっきり会話が減ったように感じています。

とくに食事の時間帯には、テレビが点いていなければ、ただ互いに黙々と食べるだけで、ほとんど会話もなく、カサついていて、味気なささえ感じます。

そういう時には、なんとなく妻の機嫌が悪いようにも感じられてきて、基本的な信頼関係はあるのですが、つい疑心暗鬼にもなったりします。

子供たちは自立し、ふたりだけの暮らし中心になりつつあります。このままでは、これから終盤に差し掛かっている人生を豊かなものにしようと思っているのに、こうしたことが影となって、気分も晴れません。どうしたらよいでしょうか。

潤いある関係の再構築は、男の側から
回答者●キリン(長谷川浩司)

 

ウチはまだ、新婚に近い夫婦なので、あまり有効なアドバイスはできないかも知れませんが、オレは女を扱うのは巧いといわれていますから、どうか参考にでもして下さい。

新婚に近いといっても、ウチもよくケンカをします。大体、オレの勘違いや、早合点などが原因となって、言い争ったりします。念のためにいうと、手は上げませんから。

そんな時は、その後しばらくの間、気まずかったりしますねえ。

そういう雰囲気を変えるキッカケ作りには、妻が、リアクションしやすいような、単純な話題を考えて、オレの方からそれを振ります。

たとえば、「今日、外出先で、犬のウンチを踏んじゃって、参ったよお。靴が汚れちゃってさあ」とか。ウソでもいいと思います。すると、「バカねぇ」とか、反応があります。

また「今日は、何色のパンツ履いてるんだよ」と、妻に尋ねたりします。「なにいってるのよ、バカじゃないのぉ。……アナタの好きな、薄いブルーのよ」などです。

それから、なにか、とても簡単なことを頼むというのも、キッカケとして効果がある場合があります。

オレが時々使う方法としては、フロに入るから、たまには背中でも流してくれよ、というのがあります。

そういってから、オレはフロに入ってごそごそとやっていると、大体、黙って、妻が遅れて入いって来ます。当然、裸で入いって来ますから、まずは、背中を洗って流してもらってから、次にタイミングを外さずに「お礼に、今度はオレがおっぱいを洗ってやるよ」とかいいます。

こうして面倒な、難しいことではなく、ごく簡単なことを頼んでみるのは、ふたりの仲を保つのにとても重要だと感じますよ。

これらを試してみても、なお奥さんから反応がないとなると、おふたりの関係には、赤信号が灯りかけているのかも知れませんねえ。

フロの例でもそうなのですが、まず、ふたりの距離を縮めることが大切でしょうね。

若い頃を思い出して、奥さんを子供の母親としてではなく、ひとりの女として見ることも必要だと思いますよ。改めて、視点を変えるのです。

たまには、日常の買い物などにも一緒に出掛けて、荷物を持つのは当然ですが、短い間でも、手をつないで歩くこともとてもいいですよ。スキンシップです。

最初は、近所の人の視線がぁ……、とか、恥ずかしいわぁ……、などというかも知れませんが、オレは人の目や世間体はあまり気にしません。そんなもん、関係ないよ、などと、妻にいいました。

で、そうするうちに、オレが手を出すだけで、自然につなぐようになります。

それから、記念日などでの、ほんのちょっとした贅沢なサプライズやプレゼントもいいでしょう。しかしその際は、あまり高価でもなく、でも貧乏臭くもない微妙なラインを狙って下さい。

「こんなことして、もったいないわヨ」とかいいながらも、喜ぶような価格帯であることが重要ですね。マジでそこを外すと、一気に緊張感が増してギクシャクしますから、相応なものにして下さい。

どうか赤信号へと変わる前に、男の側から腰を低くして努力し、女としての妻に近づき、じわじわと距離を縮めて、潤いのある、豊かな関係を再構築して下さい。

とはいっても、人生に正しい進み方なんてどこにもありませんから、赤信号をかつてのオレのように無視して暴走してみるのもよし、また、車を降りてゆっくりと歩いてみると、意外に別の、まったく新しい風景が拡がっていて、それも楽しいのでは、とも思いますから。(談)

 

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