(3)ひまわりは、
リビングを美術館に換えてくれる花
のりちゃん(畑中範子)
ひまわりの花言葉
憧れ、光輝、情熱
あなただけを見つめる
あなたを幸福にする
私が、夏を感じるものといえば、ひとつは高校野球でしょうか。
じりじりと暑さがピークを迎える頃、目と鼻の先にある阪神甲子園球場からは、例年ならば歓声や応援の音楽、ため息なんかも漏れてきて、球児たちの様子が手に取るように伝わってくるほどです。子供の頃、父に手を引かれてタイガースの試合を見に行ったのも、よく覚えてるし。
球児といえば、昨年、阪神タイガースの藤川球児さんが引退するとき、ミネソタ・ツインズの前田健太投手からの依頼を受けて、ツインズの赤もちらっと意識しながら、紅白の花をアレンジして球場に届けたのは、私なんですよ。そんな仕事もしています。
そして、私のなかで最も夏らしく、清々しい暑さを象徴する花は、ひまわりです。
大振りな、黄色の花は、子供たちからも親しまれ、幼児たちのお絵描きにも、かならずといってもいいほど、描かれるモチーフです。それに、古今東西の巨匠ペインターたちによっても描かれていて、彼らの名が、そのまま品種名にもなっています。
……となると、まずはゴッホですね。ああ、あれでしょ、と、すぐに思い浮かぶほどの強いイメージです。中央の種のできる部分も単体の花の集まりなのですが、その黒褐色に、周囲の黄色い花弁がクッキリと際立ち、典型的なひまわりの花です。
ゴッホと交遊のあった画家たちも、各々のひまわりを描いていて、また品種としても名付けられています。ゴーギャンやモネ、それにマティスもあります。
モネは、八重で、レモンイエローのような優しい色合い。花弁は、ふわふわとした柔らかな感じです。ひまわり=黄色で、背が高い、だけでなく、昨今では、茶色や赤っぽい色彩の花もあり、また、丈が低く改良された品種もあって、変化に富んでいるのです。
それからひまわりは、花入に差しても水揚げがよく、日持ちのいいのも特徴のひとつでしょう。やっぱり見たままの、豊かな生命力のある、明るく、逞しい花なんです。
夏から秋にかけては、いろんなひまわりを交互に活けて飾れば、さながら家のリビングを美術館にでもいるように楽しめて、なかなかの趣向です。
今年の夏の甲子園は、高校球児ばかりでなく、首位を走り続けるタイガースのファンたちも大盛り上がりのことでしょう。皆さんにとっても、素敵な夏が訪れますように。(談)
コメント