川湯温泉の名を高めた人
歳を重ねるに連れて、興味がじわっと湧いてくるもののひとつに、大相撲があります。
まだユースがあった当時、川湯温泉の奥まった区画に、「大鵬の実家」と控えめな看板が出され、名横綱・大鵬(1940−2013)が少年時代を過ごしたという家が建っていて、見学に行ったことがありました。
外からちらっと様子を窺っただけで、人が住んでいたか、いないのか、知りません。現在では、立派な「大鵬相撲記念館」が温泉街の一画に建てられ、顕彰されているそうです。「北海道弟子屈町出身 二所ノ関部屋」の大鵬は、町の誉れであり、川湯の名を高めた偉人です。
もうひとり、大鵬ほどの派手さはないながら、文芸から川湯温泉の名を広めた人が、原田康子(1928−2009)です。釧路在住の小説家で、処女出版した「挽歌」(1956年)がドカンと売れ、各局がテレビドラマ化して放映し、映画にもなりました。若い女性と中年男性との不倫を描いたこの小説から、当時、「挽歌族」という流行語まで生まれたらしいです。私がまだ、子供の頃です。
その小説のなかで、不倫相手の男に連れて行かれた場所が、K温泉の古城のようなホテルでした。
……「わたしはゆっくり温泉町の通りを歩きだした。日射しの強くなりかけた火山灰質の通りに、硫黄の噎せるような濃い匂いがただよい、修学旅行の少女たちが白い花弁のように群れていた。」と、この小説の一節が文学碑となり、雑木林を整備した「川湯の森」のなかに建てられています。
相撲と不倫という、文武両方向から感じて歩く、オトナの川湯温泉街も、かつてとは違っていいものです。(ゆ)
■「野村川湯 サマーミーティング・ファイナル」開催のお知らせ
日時◎2023年7月21日(金)、22日(土)、23日(日)
21日/川湯温泉街にて宴会(居酒屋)
22日/ 川湯温泉駅前周辺にてミーティング(パーティ)
23日/ 詳細未定
宿泊◎川湯温泉街のホテル(希望者には、推奨ホテルをメールします)
◎相乗り、相部屋希望者はメール下さい。
◎昼間はすべて自由行動です。
◎家族・夫婦で参加の場合は、部分参加もOKです。
◎立案+代表幹事=トモノ(友野 正)
◎参加、問い合わせなど=nomurakawayu@gmail.com
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